糸川式の草削り、追記
今日は4月の中頃、畝の草取り作業を、糸川式でやった
畝の草を、平鍬でハツって通路に落とし
次には通路の草をハツって、チャーハン状になった土と草を、畝に戻す
同時に土寄せ作業が、終わっている
この時、畝を直したり高くしたりの、補修もできる
ちなみに、平鍬はその先を研いで鋭くしておく
さらに言えば、糸川氏は最初から完全な畝を作ろうとするな、と
氏は完全を、思っても求めてもいない、状況に合わせての融通無碍
畝ハツリを今日行い、通路ハツリは明日でも来週でも、これも融通無碍
腰をかがめないので作業が楽なのは勿論、加えて精神的に、すこぶる楽チンなのだ
その糸川式の畑、畝に特徴がある
先ず畝幅は4尺と広く、通路幅も2尺と広い、合わせて6尺取る
その畝の真ん中に、細い溝を作る
つまり、2本で1対の畝をたくさん作り、これで畑を構成する
畝表面をハツッた草も、この溝や通路に落とす
然る後、必要に応じてこの溝や通路をハツリ、チャーハン状の土と草を、畝に盛る
さて百姓にとって命とも言える、堆肥作りやこの施肥作業、実は重労働だ
堆肥は、草刈、集め、積み、醸し、天地返し、ばら撒き、漉き込みの全過程、重労働なのだ
糸川式では、この細い溝で草の堆肥化がなされ、その作業が無くなる
燻炭や他の堆肥があれば、これを手箕から溝にこぼしながら歩く
そして草ハツリ作業の時に、堆肥は溝から畝に盛られる
つまり雑草作業と施肥作業と土寄せ作業が、同時進行してしまう
しかも、腰をかがめず、立って鍬をふるうだけの、軽作業に変化する
また通路だが、これだけ幅があればタイヤ付きの台座を置き、それに座る事ができる
畑仕事がつらいのは、中腰が続くからである、ならいっそ座ったほうがいい
タイヤ付きの台座が市販されている
試してみるといい、この広い通路のお陰で、色んな作業が楽になる
ただ広すぎると、草地が増える事になり草の仕事が増えるし、畝数も減るから、2尺が丁度
自然農で知られる川口氏は、草の根と茎の境を、地表すれすれ、鋸鎌で切る
根は土に残し、堆肥化し、又そこが空間となり空気を含む、と云う根穴構造の考えだ
私はその真偽知らないが、根を残せばまた生えてくる、と云う呪縛からは飛躍している
草の方はそのまま緑肥マルチとし、堆肥化を待つ
ハツリ方式と結果は同じだが、ただこの鋸鎌の作業は、腰をかがめての長時間の重労働だ
この方法は、家庭菜園規模であり、営業用の広い耕作地なら無理だろう
上の平鍬でのハツリの方が楽チンで、優れていると思う
下の写真は分りにくいが、草ハツリの、ビフォーアフター
余談だが、私の畑と云うのは、20年間放棄された原野だった
草丈は背を越え向こうが見えず、刈払機の後、十字鍬で野イバラとクズの根を掘り、開墾した
全部刈り倒した一ヶ月後、見渡したその時、たった5畝の畑が西部開拓史に見えた・・・
その後も、スギナが密生し、人は私の畑を憐れんだ
私にとっては、そのスギナも他の草と一緒に作業が出来、ノープロブレム
加えて、籾殻薫炭を施せば、土壌の酸性がアルカリに転じ、スギナは一挙に激減した
そして次の春、畑一面、畝一面、びっしりとハコベの絨毯、感動した
対するよその畑や隣の畑は、冬越しの白い枯れ草、白骨死体に見えた
以下は、上の文章の後、書き足すものである
上の方法、平鍬でのハツリ方式は、実は草丈が短く、草の初期段階向きだろうと思う
これを放置し、野菜の背丈に及んだり超えたりすれば、手でむしる他なくなる
あえて平鍬でハツリをやれば、草の根と共に畝が壊れ、野菜の根がむき出しになる
こうなる前のハツリだという事と、過ぎれば手での草取りも仕方が無いと思う
通路の方は踏まれて硬いので、平鍬のハツリは可能だ、腰をかがめないで済む
要は、畝の草だけ、草取鎌の手作業となり、その面積は意外と小さく、軽作業だ
タイヤ付きの台座に座り、移動しながらの草むしり、そんなに辛いものではない
ちなみに同じく自然農法の赤峰勝人氏は、根穴構造など言わず草は根ごと抜き取っている
勿論その草を、その土に残すのは共通しているが
もう一つ、これも超えて、草ぼうぼうになったら?
この状態は次に植えるものがなく、数ヶ月ほど放置された場合などに起きる
ここまで来ると、胸まで届く草の密林になり、手作業の草取りは絶望的だし苦痛だ
刈払機や、鍬で耕す、管理機で耕すというのも、あり得ると思う
自然農法では、手作業の自然にこだわるが、宗教ではない、とらわれる事はないと思う
私の方法でも、ハツれば根は残り、むしれば根は空中で枯れ、耕せば根は漉き込まれる
どちらも良いのではないか、自然農法は宗教であってはならない
実際の作業には出来る事、出来ない事があるし、その結果を観察する事だと思う