ondonpiのブログ

山と川の間に迷い込み、掘立小屋で自炊し、猫の額ほどの畑で自給し、大脳と小脳の世界に遊びます・・・

野菜いためは弱火で、水島弘史氏

「野菜いためは弱火でつくりなさい」
その本の驚きのタイトル、強烈に惹かれて買った
食い入るように読み、試した
その結果は、長年の疑問や、自炊を始めてからの、料理のもやもやが晴れた
深い感動に浸っている

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最初は、地鶏胸肉のチキンソテー
塩とオイルを塗り、冷たいフライパンから弱火で炒め、最初に出る汁はエグミだから拭き取る、と
まずくパサパサの胸肉が、美味、美味、美味の大感動
普通の料理本では、鉄フライパン、強火、油の順だ
これで旨味を閉じ込める、とある
ところがこの方法、閉じ込められるのは旨味ではなく、エグミと苦味だ、食べれば分かる
 
野菜炒めは、もっと驚く
肉は上の方法で作り、取り置く
そのフライパンを拭き取り、水で底を冷やす
そのパンに、手でオイルを塗った野菜を置く
常識が崩壊する、一瞬だ
これを弱火で炒めて行き、肉を戻し、酒、塩と味つけして行く、と
食べてみるといい、パリッとしている
 
トンカツも、納得
料理家はたっぷりの油でと、口を揃える
私は昔からその、大量の油が分からなかった
それでフライドポテトを、少なく浅い油で、半分炒めるような感じで作った事がある
驚いたのは、水島氏もこれと同じだった
何も問題ない、トンカツがカラリと揚げられる
 
ブイヤベースでは、下ごしらえを重視する
魚介類は皆々上述の方法で、一旦焼き上げ炒め上げておく
その魚焼きは、フライパンでOKと
実はこの事は私も、既に発見し普通に行っていたから、深く納得する
ただ氏は、この方法は生臭さを除くものでは無い、と断っている
たまたまだが私は、臭みを取る方法は知っていた、十秒ルールだ
捌いた魚の臭味は、流水に十秒さらせば消える
 
アーリオオーリオエペペロンチーノでは、茹でる塩水濃度1.5%、水1リットルなら15gの、つまり大匙1杯の塩を入れると
私は落合氏の本を知り実行していたが、人は目を丸くする
ただ水島氏は、にんにくと鷹の爪のオイルは冷たいフライパンから温める、と徹底している
 
間に合わなかった事もあった
staubの鉄鍋だ、これを買ってしまった
鉄フライパンも、買ってしまった
料理家は美味しくなると言い、実際ポトフも、ご飯も、チャーハンも、格段に美味しくなった
中島氏は、これが不要と言う
鉄は温まりにくく、その分ゆっくりと熱が伝わるので、弱火効果が現れる、と
だからテフロン加工のアルミ鍋でも、弱火でゆっくり熱すれば、鉄鍋は不要と
 
この水島氏、フランス仕込みのシェフだ
そのフレンチは、フルコース、上品、お洒落で敷居が高い
且つ銅鍋など、低温料理のイメージが強い
水島氏のお陰で、フレンチの原理と認識がガラリと変わった
 
そのフレンチ、イタリアのメディチ家が発祥とか
ローマ文化とその真髄の継承者、と言うのが真意だろう
そのイタリアンでは、これもイタリア仕込みのシェフ落合氏に書が多い
私の好きなパスタ、ピザ、ラザーニア、ドリア(?)など作って知った人だが、落合氏のお陰でめくるめく味が上達した
 
この二人に比べるべきでは無いのだろうが、料理好きな作家やメディアの人たちの書、これを思う
パスタを茹でる時の塩は有っても無くてもとか、或いは塩を入れるとくっつかないから、と書いている本もある
ステーキをソテーやローストする時に、そのエグミ取りを考えていない本もある
意外性や隠れた一角などに、気付きを得るべきか