ondonpiのブログ

山と川の間に迷い込み、掘立小屋で自炊し、猫の額ほどの畑で自給し、大脳と小脳の世界に遊びます・・・

庭木の剪定

[庭木剪定]
これは何故しなければならないか、山の木はそのまま育っているのに
一つには、庭が小さいからだ
園芸店のかわいい苗木は、たちまち二階に達する
二つには、木は一度切ると暴走する
切った所から枝が密生し、樹形を乱す
一度人間が手を入れると、ずっと面倒を見なければならなくなる、これが理由だろう

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 先ず主木を決める、最も高く力強い幹だ

これを頂点に、ろうそくや卵や盃や釣鐘など、姿を決める

それを決めるのは、隣や道路にはみ出さないか、上の電線に触れないか、自分が通る時体に触れないかなどで、これで最も高い所と細い所が決まる

頂上から細い場所へなだらかに輪郭線を下ろしてくれば、姿が決まる
姿の外に出る枝は、小枝を残し切り詰める
小枝が無ければ葉を残して切り詰める
葉が無ければ元から切る、或いは胴吹きが期待できれば途中から切ることもある
 
背丈を詰め胴を切り細めると、枝が密生した中身があらわになる
これこそが風通しと日当たりが悪くなり、病気や虫を呼ぶので、枝すきが必要となる
その不要枝、害をなす枝には、庭師が細かく名を付けている
混み枝、重なり枝、
立ち枝、徒長枝、
逆さ枝、懐ろ枝、下り枝
見事な命名だと思う
 
[柿の木の剪定]
上は柿の木の写真だ
何が珍しいか?
実はこの木、70年ほど自然天然に育っていたのを、植木屋さんが強剪定し、2年かけて整枝し整形したものだ
 

昔々、ある植木屋さんが言っていた、柿を剪定なんかして、実は成るのか?、と
それ以来、柿は剪定してはいけないものとばかり思っていた

だから最初、太枝を強剪定されて、葉っぱも殆ど失い、げんこつを空に突き出した様な、無残で可愛そうな枝振りに絶句したものだった
この木はもう、実は成らないと諦めた

それが2年目、げんこつ枝から胴吹き芽、胴吹き枝が出、間引きされたのが写真だ
完全に、そして美しく復活した
二度驚いた

言うまでもないが、写真の柿は整枝が目的だから姿が良いのだが、採果を目的にして高枝を詰め横枝を伸ばし、縦よりも横幅を大きくする事も可能だ

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 [ズンド(寸胴)型]

街を散歩していたら、すごい物が飛び込んで来た
柿の木の、ズンド型だ
先ずここで、柿の木はズンド型に剪定してはならない、という固定観念が吹っ飛んだ
しかも枝を四方に配りながら上昇し、形がいい
ズンド型は不格好と決まっているが、大したものだ

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それだけでもびっくりだが、実がたわわに成っているのにはうっとりし、感無量の思いだった
この事、心に刻み、機に応じて役立てたい

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ちなみにこの家、周辺の家の4倍程広く、ほとんどの木がズンド型だった
事情は聞かなくても分かる
この土地での旧家だったのだろう、大木に囲まれて
それが都市化の波で周辺を切り売りし、大木もその鬱蒼とした枝ぶりが、隣家や道路に張り出し、苦情が・・・、というシナリオ、すぐ見て取れた