ondonpiのブログ

山と川の間に迷い込み、掘立小屋で自炊し、猫の額ほどの畑で自給し、大脳と小脳の世界に遊びます・・・

ノブヒェン窯でピザ焼き、高価なオーブンよりグッド

オーブンです
数々の失敗、漸く最終駅に辿り着きました
 

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[電気オーブン]

高額なオーブンレンジは、さすがに買いませんでした
あの機械は何かおかしい、という健全な予感は有りました
しかしデロンギの電気オーブン、これを買ってしまいました

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大失敗でした
下火が弱すぎて、使い物になりません
ピザストーンを温める力さえないのです
仕方がないのでバーベキュー鉄板で下焼きしてから、デロンギで上焼きと、二度手間の地獄でした
二度手間はバカバカしいので、ピザストーンを諦め、バーベキュー鉄板を30cm径に切り抜き、これに換えたら少しましになりましたが、気持ちは離れてしまいました
設計ミスに嫌気がさし、その電気にも見合わない、と思うようになったのです
 
[ピザメーカー]
次の失敗はフカイ工業の、さくさく石窯ピザメーカーFPM-160、でした
下火は強かったのですが、ピザストーンを予熱する方法は同じです
この手の問題の共通点は、上と下の焼き具合のバランスをとる事です
ピザストーンは予熱しても、温度上昇にはカーブがあります
最初蓋を開けたままピザ下面を焼き、頃合いを見て上蓋を閉めて上を焼く
ストーンは段々熱くなるから、初めと終わりでは上蓋を閉めるバランスを微妙にずらして行く、これも難しく鬱陶しい
そして何より、まずかったのです
蒸したような味で、これではピザと言えません
そもそもピザは、下はカリッと、上はもっちりと、これでなければピザではありません
この為上蓋と下蓋の裏に、ガスコンロのアルミカバーを形に切り抜き、ねじで苦労して貼り付けました
これが反射板になり、味は改善しましたが、気持ちは離れていきました

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調節が面倒過ぎるのと、大量の消費電力はやはり、疑問です
 
[魚焼き]
ネットではガス台に付属する魚焼きロースター、これでのピザ焼きが賑わっています
勿論欠点は20cm程の、小さなピザしか焼けない事でしょう
本格的なガスオーブンが最終解決なのは知っていますが、金を出せば成功するのは当たり前、私には興味がありません
 
[ピザ窯]
(話はぎりぎり内側かと思いますが)
ピザ窯です
ピザ窯には夢があります
実は私も昔々、庭に小さな、レンガのピザ窯を作りました
最悪でした、火を起こすのも、維持するのも
二度とやるまいと誓ったものです
中目黒の、ピザ窯を売りにするレストランで話をしたことがあります
イタリアからピザ釜を輸入し、大きいので店の入口を壊して据え付け、排煙装置を付けて、消防署の認可を取り、ナラ材を調達する
夜も温度を下げないよう、弱火だが夜通し窯を熱する
大変を通り越し、東京は何かおかしい・・・
これでピザか、これがピザか、と
(私は内心、東京は終っているのでは、と思う事があります
地方では、起業のチャンスが、低いハードルで、努力次第では生まれつつあるように思います)
 
[薪ストーブ]
これらを皆々解決する夢のような方法を、私は考案し成功しました、ノブヒェン窯です
きっかけは、薪ストーブです
以前これで、ピザを焼こうとしました
これはこれで大変おいしく、この文章の中に現れる方法の内で最高かもと思います
欠点はストーブの季節限定バージョンであり、ストーブでは割と小ぶりな物しか焼けない事と、ピザストーン予熱の面倒な二段調理、でしょうか
 
[ノブヒェンオーブン]
その時調べていて偶然知ったのが、ノブヒェン窯でした
本来は庭に竈を構築するもので、大仕掛けになります
私はロケットストーブがあるので、これで代用します
ただそのロケットストーブも、屋外だし、火起こしも、片付けも、面倒です
その時、庭の竈でなくても、台所のガス台でいいのではないか、と思ったのが最初でした
シンプルな写真が、以下です

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ガス台の五徳の上にこれだけの物を重ねます
右から、台網、20cmアルミ板、25cmアルミ板、30cm丸網、25cmのクッキングシート、つまみ付き32cmボウル、です
勿論クッキングシートにピザを乗せます

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ガス台の上に乗ったノブヒェン装置です

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アルミ板小は、ガス火が直接当たる部分を調節するのが目的です
30cm丸網は、ピザが直にアルミ板に触れるのを調節するのが目的です
25cmアルミ板の上に、32cmボウルをかぶせると、その周辺には3.5cmの隙間ができます
その隙間から回り込んだ熱が、ボウルに充満し、オーブン状態になる、これがノブヒェンオーブンの原理です
調節部分は多々あります
20cmアルミ板、25cmアルミ板、32cmボウル、スペーサーとしての丸網、これらの調節とバランスは決まる迄、試行錯誤して下さい
その実験は毎回ピザでは勿体ないので、焼き餅でOKです、じきに焼きの感覚はつかめます
私はこの他に、30cm鉄板、35cmボウルも持っています

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[トマトソース]
ピザがいまいち億劫なのは、トマトソースではないでしょうか
これを作る、事前の、余分な、ひと手間が、鬱陶しいのではありませんか
トマトケチャップでは、毒々しい味になります
私は450ccの広口瓶で解決しました
にんにく、玉ねぎ、人参、トマト缶一本、を煮詰めれば、丁度これに入ります
これでピザと、スパゲッティロッソと、ラザニアの、ハイご予約済、ありがとうございま〜す

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[ピザ玉]
最後ですが、ピザ玉です
これを長らく手ごねで作っていましたが、つい最近、ホームベーカリーになりました
手も汚れず、力も要らず、服が粉だらけにもならず、ずっと楽なのは勿論ですが、肌と生地がなめらかに仕上がるのです
 
[他にも便利なノブヒェン窯]
「餅」「トースト」「 ピザトースト」はオーブントースターと同じ要領で焼けます
(トースターやオーブンが無ければ、電気の基本アンペアは10アンペアに落として節約できますよ)
「ラザニア」も勿論OKです
そして有り難いのは「魚」です
ガス台のロースター、これは大きいので使用後の洗い、私は大嫌いでした
「二枚や三枚におろしたサバ」なら、フライパンで焼いた方がずっと楽です
ノブヒェン窯ならオーブンシートだけで、そのフライパンの洗いさえありません
「マグロのカマ」に至っては、大きいのでガス台ロースターに入りません、或いは火に近すぎて焼けません
フライパンでも分厚すぎて、焼けません
その為だけに、七輪を買ったのですが、これはこれで地獄(?)です
これがノブヒェン窯で焼けたのは、本当に助かります

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その味も蒸し味ではなく、おいしい焼き味に仕上がります
そして驚きは、「ベイクドチーズケーキ」です

f:id:ondonpi:20190117143918j:plainほらこんなに

でもこれは最初なので、ちょっと焼き過ぎですね

この調子で、シフォンやパウンド・・・、楽しみです

火力調節と、炎が当たる所のスペーサー有無、アルミ板の上の網のスペーサー有無、これらを好みで好きなように調整してください、色んなバリエーションが楽しめます

 

[ノブヒェンで焼芋、大成功]
焼芋もノブヒェンでうまく行ったので追記します
焼芋はおいしいですね、煮た芋とは全く別の食べ物です
あの焼芋、何とか自分で、が最初の動機です
結論は、鉄板(アルミ板)から網2枚程で浮かし、何も包まず薩摩芋そのままを置いて弱火で30分、これだけです
終わり頃に裏返すくらいでしょうか
石焼芋に迫るおいしさは、以下に記す数々の失敗の後だったので、涙ぐむほどでした
 
[電子レンジ]
焼芋情報は、ネットに溢れています
最初のトライはレンチンでした
新聞紙にくるみ、最初1分、次は解凍で10分
身はゴリゴリ、まずくて話にならない
次は芋を湿った新聞紙に包み60分、それでも中はゴリゴリの生でまずく、話になりません
[蒸し鍋]
蒸しはベッチョリで、煮たのと同じです
煮るのがまずいから始めたのに、意味がありません
[トースター]
トースターでは、アルミホイールで包み、間歇焼き1時間、と言うのがあります
15分ほど温め時間をおいてまた温める、これを一時間繰り返す
味は向上しましたが、べっちょりでした
黒アルミホイルが鳴り物入りで出ましたので、試したのですが同じでした
いっそと思いアルミなしで試したら、ほっこりしてまだましですが、石焼芋には程遠い味です
[フライパン]
味の挑戦はまだ続きます、フライパンです
濡れたキッチンペーパーで包み、アルミホイルで覆い、これをフライパンで炒め蒸し
出来はベチャベチャで、蒸したのと同じ、まずいです
蒸し味を嫌い、クッキングシートに芋をそのまま乗せて蓋をして弱火で30分
下が焦げ、上は生でした
返しても焦げが増えるだけでした
[すき焼鉄鍋に玉砂利]
家庭でできる究極の石焼芋、砂利を拾いすき焼き鍋に満たし、芋を埋めました
あら、美味しくない、また時間がかかり過ぎる、加えてパサパサ、蓋はぴったりしてもずらしても
原理は似ているのに、味は別でした
 
結論は、レンジもトースターもフライパンも砂利も、石焼芋には遠く遠く及ばない、と言う事です
しかも時間がかかる、つまり電気代やガス代が尋常では無いと言う事です
私はその後レンジもトースターも捨てました
お金の面からも味の面からも、ノブヒェンは最高、オールマイティです