自然農法と自然農と自然栽培
今年は畑が出来なかった
この夏、母が二度倒れ、二度入院した
春先に育てたトマト胡瓜など夏野菜の苗は、定植後の面倒が見られず、草に埋もれて消えた
秋野菜の種付や苗作りもできなかった
無収穫だし、畑は荒れた
私の自然農法は、6年目に挫折した
直接的には母の看病だが、他にも理由がある
当ブログにも書いた糸川式の畝はつりと通路はつりだが、この草対策では畑半反に追いつかない、或いはシンドイ
またこの方法では土が裸になり、強烈な「違和感」を覚えた
これが気が進まなくなった、大きな理由だ
次に、秋野菜の準備が出来なかったのも、母の看病の他に、苗作りがどうにも「嫌」だったと言うのが底辺にある
まだある、そもそも畑の畝立て、畝作りが「嫌」だった
勿論答えは全部知っている
苗作りは、季節が足りないのと、草に負けるからだ
畝は、水はけを好む野菜が多いからだ
では、畝を立て、苗を作り、草をむしればどうなるか?
腐食が戻らず養分が枯渇し、肥料をやれば虫と病気を呼び、農薬に至る
私にはお百姓さんと、慣行農業の辿る道が、手に取るように分かる
それがふとした事から吹っ切れた、と言うのがこの記事だ
四つある、四枚の写真だ
「木村秋則と自然栽培の世界」p233の写真
呆れた
奥はりんごの木だが、その下は草ボウボウ
手前には草から、とうもろこしや葉物野菜が立ち上がっている
草の中に、野菜を植えているのだ!
「川口由一、自然農」のカバー写真
氏も同じく、草に野菜を植えている
本文には、鎌で草と土を切りその間に苗を挟むとか、種まきも刈草の上からパラパラと種を降らしその刈草で覆うとか、具体的だ
勿論草に負けるものは種類に応じて、表面を平鍬で削って播種とか、苗床や温床で育ててから移植とか、する
これがまた嬉しい、ワクワクする
苗床は畝の端や畑の一角に、半畳、一畳でしつらえている
これはよく分かる、苗場と畑が離れているとやる気が起きない
温床も地上に積み上げるのではなく、地面を30cm程掘り下げて作っている、勿論床は醗酵させる
これにビニールでなく油紙を張った戸枠をかぶせれば、自然で効率的な保温が実現できる
これにも脱帽した
温床が良いのは分かるが、積み上げ式は大仕掛けになりどうにもやる気が起きなかった
これなら是非にと、ウズウズする
言うまでもないが畝は、トマトなど湿地を嫌うものだけ、作ればいい
里芋などは、畝どころか穴を掘り、種芋を置く
三つ目は
「古谷氏、イギリス的「優雅な貧乏暮らし」の楽しみ」p119の写真
若い頃憧れたフランス庭園は、対称成型、芝生と刈込、植物も自然も生態も無知その物、大嫌いになった
日本庭園も嫌いだ、死んでいる
盆栽がその極致だが、如何に不自然なものか
その証拠に、肥料が不可欠だ
対する写真のイギリス庭園、ご存知だろうか
一見、雑草だらけ、手入れしてない、放置された庭に見える
勿論、知恵と労力と手入れの跡が、見る人には見える
草木を育てる事により、土を育てているのが見て取れる
イギリス庭園は土を育て、フランス庭園と日本庭園は土を殺している
庭師のPaul Smither氏は、日本に乗り込み、イギリス庭園を広めている
四つ目は自分のブログ
「草地に自生したアサツキ、叢生栽培のヒント」の写真
これは畑に行く通路の脇に、草を押しのけ、自生したアサツキだ
畑のアサツキ、畝に植わったアサツキ、それらよりどれだけ太く、強く、生き生きして、水々しかった事か
瞬間、小葱かノビルかと疑い、感動と共に撮った写真だった
私は薄々、気が付いていたのだ
野菜は芽を出しさえすれば、その周囲10cmを刈ればいい、と
さらにその外は、高刈りすればいい、と
土は、草が作ってくれるのだ
来年は、これでやる!