籾殻薫炭、何度も失敗
籾殻薫炭、その威力を、今年の春、感動と共に知った
私の畝だけ、私の畑だけ、びっしりとハコベの絨毯に蔽われた
よその畑は冬越しの枯れ畝、白骨死体に見えた
もう一つ去年の事、籾殻薫炭を入れた畝と、まだ入れてない畝
両方で育ったジャガイモ、まるで違っていた
籾殻薫炭のない畝は、ビー玉やうずら卵のような小粒の芋ばっかし
籾殻薫炭を入れた畝は、卵や野球ボールのような大きな芋だった
ただ、以下はその話ではない
その素晴らしい籾殻薫炭、どうやって作るか、の話だ
籾殻薫炭、何回もやってようやく分かってきた
ネットの記事もあるが、何れも達人の模範演技だ
以下は、それを知らずにトライした、おバカさんの失敗例だ
まずその道具は、「円錐」と「煙突」から成る
これを不要なトタン戸二枚の上に置いた
最初これを畑の畝の間でやった、ばらまくのに都合がいいと単純に思った
これが最初の失敗、できた燻炭はあらかた土に吸われ、半分ほどしか収穫できなかった
それで「トタン戸」となったいきさつがある
向こうに見えるのは、ごみ焼き用の一斗缶だがこれも意味がある
先ずは普通に枝木数本に火をつけ、これに「円錐」をかぶせ、「煙突」を立て、回りに籾殻を寄せる、これが基本だ
ところが火がつかない
枝を重ね、新聞紙でいきなり火を点けて、何度も失敗した
風があれば勿論、無くても、なかなか点くものではない
牛乳パックは火持ちが良いが、それでも点かない
そこで思い出した、普段のごみ焼きの一斗缶だ、下に空気穴がある
これなら新聞紙で、簡単に火が点く
枝木を足し、火が安定したら、「トタン戸」に持って行き、ひっくり返し
すかさず「円錐」をかぶせて、「煙突」を立てる
後は、籾殻を寄せれば良い
(ついでに、何で一斗缶でごみを焼くのか、初めて分った)
さて、写真は上の方が、焦げ始めている
放っておくと燃え出すので、これを消すため、最初は、竹箒で掻き上げた
その竹箒、熱で焦げてきた
これも後で分ったが、スコップが良い、これで掻き上げる
奇麗にしたいなら、これをシュロ箒で掻き上げれば良い
次は、この仕掛けにも関係するのだが、火は何故持つのか?、と言う疑問
薫炭作業は、1時間半か2時間
私は少量づつしかやらないから、これ位の時間になる
最初に入れた数本の枝木など、たちまち無くなる筈
最初はこれが分らず、煙突から枝を投げ入れたりしていた
それは不要だと分った
「円錐」に開けられた、空気取り入れの為の、沢山のスリット
籾殻を掻き上げていたら、そのスリットから、内部が見えて、びっくり
完璧なガス室状態だ、オレンジ一色だ!
見た事無いが、溶鉱炉の燃焼室もこんな感じだろうか?
次に、仕上がりのタイミングだが、これが最初、分らなかった
後で分った事だが、終わりは「円錐」のスリット
これを覗いて、オレンジのガス球、ガス室状態なら、進行中
終われば、オレンジが見えない、これが終了、だ
あるいはもっと簡単に、混ぜても混ぜても、籾殻から黒い炭になればOKだ
下の絵は、それを知らず、一部、完全な白い灰に達している
さて次の問題、これを冷まさなければいけない
ドラム缶持ってないし、入れても炭を通り越して灰になるし、場所も取る
冷まさないと、ビニール袋や紙の米袋に入れられないのだ
一晩置こうと、一輪車の台二つに入れ、風で飛ばないよう、刈草を被せた
我ながら賢い、と思ったのだが・・・
驚いたのは翌朝、その生草が真中から焦げていた事だ
慌てて、じょうろの水をかけたが、白い蒸気が出てくる有様
昨日は、寒いからと部屋に入れ、思い直して出したが、ゾッとする
一酸化炭素で死んでいたかも!
消火はよくよく、気を付けなければいけない
最後に水を掛けるのは、正しい!
勿論十分時間を置けばよいのだが、このとき問題は風だ
風でせっかくの燻炭が、飛んでいく!
風の無い日を選ぶ、これも大事